渋沢栄一 論語と算盤要約サラリーマン目線でポイント解説!

論語と算盤 経営
論語と算盤
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今回は「日本近代化の父」と言われる渋沢栄一が晩年に残した書である「論語と算盤」について要約いたします。

読んだ結論しては、現代も活かせるような教えがたくさんあり、本書が出版された今も多くの人に読み継がれている理由が本人の功績のみではなく大事な考えとして読み継がれていると実感しました。

「論語と算盤」は、渋沢栄一が論語の教えをビジネスや人生の指針として活かすために書かれました。彼は論語の教えを通じて、誠実さ、誠心誠意の態度、倫理観などを重視しました。

渋沢栄一は、自らの経済的成功を築く中で、誠実なビジネス態度が重要であると信じていました。例えば、信義を重んじ、他者との信頼関係を築くことが、持続可能な成功に繋がると考えました。

「論語と算盤」は、渋沢栄一のビジネス哲学や成功へのアプローチを垣間見ることができる重要な文献であり、論語の教えを実践的な視点から捉え、事例を通じて示しています。

渋沢栄一 論語と算盤 要約

書籍の結論

私が考える本書の結論は利益を求めるには正しい道理でなければ永続ができないということです。

これは単に私利私欲のために利益を追求するのではいずれ破綻してしまい幸福も続かず社会全体が利益を得る「理念」「倫理」にかなう志の高い活動を行うということです。

渋沢栄一はなぜこのようなお話を当時にし始めたのでしょうか。

考えられる時代背景として『論語と算盤』が出版されたのは大正5年(1916年)です。

大正デモクラシーで経済がバブル化し、若い人を中心にして立身出世、富裕層を目指してお金を追求していく姿が当時の日本史上最も活発だったのではないかと予想されます。

その中でお金を利益だけを求め続けている大正時代の人々に対してもっと国を良くして為の利益追求の姿勢を願って書いたものではないかと考えられます。

次の章では現代に生きる私たちが活かせるであろう内容を要約解説いたします。

論語と算盤をサラリーマンが活かすには

つまらない小さな仕事を侮らない

私たちは誰でもできるようなつまらない仕事を「なんで私がしないといけない?」といった態度で小さな仕事を甘く見て怠惰に行ってしまうことが多いのではないでしょうか。

これはどうやら昔も一緒だったようで小さなことを侮り「なんだこんなことか」と力を入れなっかたり、不平不満を垂れていた人たちはいたようです。

しかし、このような小さなことに主体的に取り組み丁寧にきっちり行うことでチャンスをつかめるのだと渋沢栄一は主張しています。

昔から言われていることと今も言われていることは普遍的に人が社会で生きていくうえで欠かせないものであるのでこの「小さなことを侮らない」という姿勢は現代の私たちも注意して取り組んでいきたいですね。

道徳を磨く

昔の日本の教育では早く欧州、欧米に追いつくために実学的な要素を詰め込み形式で生徒に学問を指導していました。そのために実学的ではない道徳や哲学といった学問がないがしろにされてしまっていたようです。

この道徳を磨くという行為は社会全体が利益を得る「理念」「倫理」にかなう志の高い活動を行うためには必須であると渋沢栄一は主張しています。

私たちも現代教育では哲学や道徳といった価値観にダイレクトに影響する分野への指導の少なさは問題であるのではないでしょうか。

日々の変化が物凄いスピードで変わり続ける現代では周りが正しいと信じていたものは明日には覆ってしまう恐れすらあります。

だからこそ、私たちは周りと同化した道徳観ではなく自分なりの道徳と信念を持てるように道徳を磨かなくてはいけません。

本書「論語と算盤」では儒教を中心とした教えが大事であると説かれていますが、その他方法でも自分の価値形成のために道徳、哲学は学んでいった方が良いと私は考えます。

常識人として実際に得を積む

渋沢栄一が主張する常識人とは「智(知恵)・情(情愛)・意(意志)」の3つのバランスを保っている人のことです。

それらは書物を通じた学問だけでなく、実社会での徳の実践で養われます。

私たちは机上の良し悪しのみでなく実際に下記の3つのバランスを保てるように生きていき週間にしみこませることが大事です。

「智」:知識を得たり、考えたり判断する能力
「情」:心で感じる喜びや悲しみや他者の気持ちを汲み取る姿勢
「意」:何かをしようとするときの元となる心持ち、自分が受けた使命

この三つの何か一つだけ抜きん出るのではなく、平等に保たれている必要があります。頭が良いだけ、優しい、志が高いの3点セットがバランスよく秤に並ぶことで常識人になることができます。

少し耳が痛いお話かもしれないですが、実社会で何かを成し遂げるには必ず必要な要素です。

まとめ

  1. 誠実な態度と信義の重要性: 渋沢栄一は、論語の教えを通じて、人としての誠実さや信義の重要性を強調しました。ビジネスや人間関係においては、相手との信頼関係を築くことが成功の基盤であると考えました。論語から得られる教訓を通じて、誠実な態度を持ち、信義を守ることが重要であると説いています。
  2. 倫理観と経済活動の結びつき: 渋沢栄一は、論語の教えを通じて、経済活動においても倫理観を持ち続けることの重要性を強調しました。利益追求だけでなく、社会や他者への貢献を意識し、正しい倫理観のもとで経済活動を行うことが、持続可能な成功に繋がると信じていました。
  3. 教養と実践の統合: 論語の教えを通じて、渋沢栄一は教養と実践を統合することの重要性を強調しました。知識だけでなく、それを実際の生活やビジネスに生かすことが重要だと考えました。論語と算盤(実務)を結びつけることで、理論と実践を一体化させ、より豊かな人生や成功を築くことができると説いています。

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著者について

渋沢 栄一(しぶさわ・えいいち)
1840(天保11)〜1931(昭和6)年。実業家。約480社もの企業の創立・発展に貢献。また経済団体を組織し、商業学校を創設するなど実業界の社会的向上に努めた。他の著書に『論語講義』などがある。

守屋 淳(もりや・あつし)
1965年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大手書店勤務後、中国古典の研究に携わる。雑誌連載、講演などを数多く行う。主な著書に『『論語』がわかれば日本がわかる』(ちくま新書)、『孫子・戦略・クラウゼヴィッツ』(日経ビジネス人文庫)、『最高の戦略教科書 孫子』『組織サバイバルの教科書 韓非子』(共に日本経済新聞出版)、『アミオ訳 孫子[漢文・和訳完全対照版]』監訳・注解(ちくま学芸文庫)などがある

現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)
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