鈴木敏文のCX(顧客体験)入門 要約 セブンイレブンの徹底的な顧客体験をの向上の秘訣

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鈴木敏文のCX(顧客体験)
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日本のビジネス界で注目を集めているのは、「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」に加えて、もう一つの「X」のつく概念、「カスタマー・エクスペリエンス(CX)」です。CXは「顧客体験」や「顧客体験価値」とも呼ばれ、商品やサービスの購入・利用における顧客の感覚的・心理的価値を指します。

セブン‐イレブンは、このCXの重要性を理解し、創業当時からお客様に満足していただける顧客体験を提供することに焦点を当ててきました。記事では、セブン‐イレブンがどのように顧客体験に注力し、成功を収めてきたかについて詳しく見ていきましょう。

セブン‐イレブンは商品やサービスだけでなく、お客様が体験する中で得る感覚的・心理的価値にも注目しています。それによって、モノだけでなく、コトを通じてお客様が感じる満足感や価値を追求しています。

セブン‐イレブンの成功は、単なる商品提供だけでなく、顧客体験に注力し、その重要性を理解し続けた結果です。顧客の感覚的・心理的な価値に焦点を当て、常に進化し続ける姿勢は、他の企業にも参考になるポイントがたくさんあります。CXがビジネスに与える影響は今後も大きくなることでしょう。

これを50年前から見抜いてコンビニ事業を牽引してた鈴木敏文さんに脱帽です。

鈴木敏文のCX(顧客体験)セブンイレブン成功の秘訣

「お客様のために」よりも「お客様の立場で」

「お客様のために」ではなく、「お客様の立場で」-価値を生み出す視点の重要性

仕事を離れたとき、私たちは一人の消費者として市場に出会います。そのとき、「お客様のために」と言っても、本当に価値を提供できるのは、「お客様の立場で」物事を見ることができるかどうかにかかっています。

頭では理解していても、なかなか実践できないのは、人間の性だと言えるでしょう。しかし、仕事を通じて培った知識やスキルを駆使し、「消費者である自分」の視点で売手や売り場を見つめることは、大きな価値を生み出す秘訣となります。

売り手側の立場ではどうしても製品を通じた顧客に提供できる体験価値というのがイメージしづらいのです。

そのためにセブンイレブンでは現場の社員に本社の上層部が口を出させないような取り組みや競セブンイレブンでは他店を見に行くことを禁止にする取り組みをしてきました。

「お客様のために」という表現は、ある程度の意味を持ちますが、それよりもっと重要なのは、「お客様の立場で」行動することです。自分が商品やサービスを求めるときの期待や不満を思い起こし、それを解決できる提案や改善点を見つけることが、顧客としての立場での行動です。

これができる人が、真に価値を生み出すことができます。お客様のニーズを理解し、それに応えることで、信頼を築き、リピート顧客を増やすことが可能です。商品やサービスの提供だけでなく、お客様の期待を超える経験や感動を提供することが、顧客ロイヤルティを構築する大きな要素となります。

結局、私たちは仕事を通じて得た知識やスキルを生かし、「お客様の立場で」物事を見つめることで、本当の意味で価値を提供できるのです。これができる人が、市場で差別化され、成功を収めるのは当然の流れと言えるでしょう。

徹底したブランドとフィロソフィーを醸成する

セブン‐イレブンは顧客に繰り返し訪れてもらい、その都度満足感を得るために、企業のコンセプトを明確に打ち出し、共感と安心を生み出すことを重要視しています。この取り組みは、商品のデザインからプライベートブランドの開発まで徹底的なこだわりを持ち、コンセプトを明確にし、顧客満足度を高める独自のアプローチを展開しています。

コンセプトの明確化と顧客共感

セブン‐イレブンは、顧客が企業のコンセプトを理解し、共感できるように積極的にアプローチしています。繰り返し訪れる顧客が企業の哲学や価値観を共有し、感じることで、ブランドに対する愛着や信頼が深まります。この共感を生み出すために、企業は自らのコンセプトを明確にし、それを顧客に積極的に伝えています。

商品デザインへのこだわり

顧客の心をつかむために、セブン‐イレブンは商品のデザインにも徹底的なこだわりを見せています。視覚的な魅力や使いやすさを考慮し、商品が持つコンセプトやメッセージをデザインに込めることで、単なる商品提供以上の価値を提供しています。これにより、お客様は商品を通じて企業のコンセプトを感じ取り、より深い共感を抱くことができます。

プライベートブランドの開発

さらに、セブン‐イレブンはプライベートブランドの開発にも注力しています。独自の商品ラインを展開することで、他にはない特別な体験や価値を提供し、お客様に安心感をもたらしています。これにより、顧客はセブン‐イレブン独自のコンセプトを商品を通じて実感し、リピート利用の動機を高めています。

セブン‐イレブンは、顧客の満足感を継続的に追求するために、コンセプトの明確化、商品デザインへのこだわり、プライベートブランドの開発など、様々なアプローチを取っています。これにより、お客様は企業の理念や価値を実感し、繰り返し訪れることで得る満足感がより一層深まっています。セブン‐イレブンの徹底的なコンセプトの追求が、顧客との強い結びつきを築き上げているのです。

未来への可能性を広げるために-過去の成功にとらわれない経営の哲学

過去の成功体験やデータは、確かな手応えを提供してくれるものですが、過去の栄光にとらわれすぎることは、未来への可能性を閉ざしてしまうリスクを伴います。

思い込みが強すぎると、現実を見る視野が狭まり、自分が見たい現実に都合を合わせてしまうこともあります。そういった陥りやすい罠から逃れるためには、経営者は新しい知見を積極的に取り入れ、実際の現場での体感を欠かすことなく行う必要があります。

過去の成功体験やデータに囚われない経営哲学を採用することで、新たな可能性を見つけることができます。単なる過去の延長線上の未来を予測するだけでは、他の競合との差別化が難しく、ビジネスの進化が阻害されることがあります。

その代わりに、データを通じて過去に執着するのではなく、未来においてどのような変化が起こり得るかを様々な角度から仮説を立て、検証することが求められています。

新しい知見や現場の体感は、ビジネスの成長に欠かせない要素です。変化のスピードが速まり、市場が複雑化する中で、経営者は柔軟性を持ち、常に新しい情報を取り入れて未来を切り開く姿勢が求められています。過去の成功にとらわれず、挑戦的で柔軟性のある経営方針を取ることで、競争の激しいビジネス環境においても成功への道を切り拓くことができます。

経営者が過去の成功からの解放を果たし、新しい知見や現場の体感を大切にすることで、持続的な成長と顧客の信頼を築き上げることができます。未来への可能性を広げ、変化に対応する柔軟性を持った経営こそが、真に持続可能な成功への道を切り開く鍵となります。

著者について

著者 鈴木 敏文
セブン&アイ・ホールディングス名誉顧問
1932年長野県生まれ。中央大学経済学部卒業後、東京出版販売(現トーハン)を経て63年イトーヨーカ堂入社。73年セブン-イレブン・ジャパンを創設し78年社長に就任。92年イトーヨーカ堂社長、2003年イトーヨーカ堂およびセブン-イレブン・ジャパン会長兼CEOに就任。05年セブン&アイ・ホールディングスを設立し、会長兼CEOに就任。16年から現職。著書『わがセブン秘録』など多数。

取材・構成 勝見 明
ジャーナリスト。1952年、神奈川県生まれ。東京大学教養学部中退後、フリージャーナリストとして経済・経営分野を中心に執筆を続ける。著書に『鈴木敏文の「統計心理学」』ほか、『共感経営』(野中郁次郎氏との共著)など。

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