良い戦略悪い戦略 まとめ ビジネスにおける正しい戦略の要点

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「Good Strategy/Bad Strategy: The difference and why it matters」は、戦略における良し悪しを巡る深い考察を提供する書籍です。

少し難しく読破に時間がかかりましたが、それだけ新たな知見を与えてくれた1冊だということは間違いありません。

選択と集中、自身の強みを最大限に活かすこと、そして診断の段階での深い分析が戦略の成功にいかに不可欠かを詳細に解説しています。

メンタリストDaiGoさんが「すべてのビジネスマンが読むべき本」と強くおすすめする一冊です。この書籍は経営者はもちろん、戦略策定に携わるビジネスプロフェッショナルや、自身の組織の戦略に疑問を抱く方にとって、必見の内容が凝縮されています。

著者Richard P. Rumeltの知見を通じて、戦略を構築する際に避けて通れないポイントが浮き彫りにされています。何を行うかだけでなく、何を行わないかを明確にし、自身の強みを理解することで、リソースの最適な活用が可能となり、効果が最大化されます。

この本は、ビジネスにおける重要な戦略的原則に関する深い洞察が読者を引き込むものとなっています。戦略の構築において深い理解を得ることが成功への鍵であることを探求し、知識と実践の両面から戦略に対する新たな視点を提供します。興味深いテーマにアプローチし、ビジネスや個人の成長において貴重な示唆をもたらす一冊と言えるでしょう。

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良い戦略 悪い戦略 要約

悪い戦略の4つの特徴

悪い戦略は、単なる良い戦略の不足以上の問題を抱えています。その特徴を以下に詳細に示します。

空疎である 具体性のない目標や計画が失敗への道を拓く

悪い戦略において、目標は多くとも、方針や行動が不足しています。具体的でない計画は、何をどうすべきか分からない曖昧な状況を生み出し、戦略とは程遠いものとなります。空疎な計画は企業を戦略的な方向性に導かず、目的の達成を難しくします。

重大な問題に取り組まない:重大な問題に立ち向かわず、避け続ける

良い戦略は課題に立ち向かい、解決策を見つけますが、悪い戦略は問題を避けがちです。耳さわりのよい言葉だけを用いて組織が直面する根本的な障害や重大な問題に真正面から向き合わないことは、戦略の実現を妨げ、持続的な成功を妨害します。

目標と戦略を取り違えている:正確な目標設定がない

企業がビジョンやミッションを抱えつつも、それらが具体的でなく、目標や戦略との混同が生じる場合があります。テンプレート的な目標設定は実効性を欠き、戦略の明確な方向性を欠くため、成果を上げることが難しくなります。

間違った戦略目標を掲げている:目的を見誤ることで達成が難しくなる

悪い戦略は、到達困難なビジョンを戦略として掲げ、それが実際の目標や目的となることがあります。具体的で現実的でない目標は、組織を欺き、戦略の実行が難しくなります。良い戦略は、説得力のある目標や目的を設定し、実現可能な方向性を提供します。

なぜ悪い戦略がはびこるのか

なぜここまで悪い戦略が企業や部署などで策定されてしまうのかというと意思決定者が取捨選択を行いていない。つまり「選択と集中」を行えていないことにあります。

困難な選択を避ける:困難な選択を避けることが、悪い戦略の発端となる

悪い戦略がはびこる主な原因の一つは、困難な選択を回避することです。

エグゼクティブたちは、実現すべき目標が多すぎて取捨選択が必要な場面で、何を行わないかを明確にせず、無駄な方向にエネルギーやリソースを投入してしまうことがあります。

この選択と集中の欠如が、悪い戦略の根本的な弱点となります。

カリスマ性への依存: リーダーのカリスマ性だけでは問題解決は難しい

悪い戦略は、ビジョンやモチベーションを戦略と混同し、カリスマ的なリーダーに依存する傾向があります。

しかし、単なるカリスマだけでは明確な戦略を構築することは難しく、現状の緻密な診断を怠ることで、最も効果的な対象を見定めることができません。

戦略の不在が、ビジョンの素晴らしさだけでは補えない課題を生み出します。

思考の浅さ: テンプレート的な戦略プランが深い思考を欠く要因

戦略を深く考えず、簡単なテンプレートに頼ることが、悪い戦略の形成に繋がります。

困難な選択や複雑な課題を避け、美辞麗句で埋められたテンプレートスタイルの戦略は、表面的な言葉に裏打ちされた深い洞察や実効性が不足しています。

本質的な問題への真摯な取り組みと、難しい選択を恐れずに取り組むことが、本物の戦略の構築には不可欠です。

良い戦略の基本構造

良い戦略の基本構造は「カーネル(核)」という三つの論理的に整理された構造を持ちます。

診断:状況を詳細に診断し、核心の課題を見極める

良い戦略の基本構造の第一要素は「診断」です。これは、現状で何が起こっているのかを明らかにするプロセスであり、課題の性質や状況の重要な側面を特定します。

企業が複雑に絡み合った状況を鮮明に把握し、克服すべき障害を正確に特定することが、成功への第一歩です。深刻な戦略的変更は、診断の結果に基づいて行われ、これが企業をより強固な方向に導きます。

基本方針: 大局的なアプローチと具体的な方針を示す

「基本方針」は、診断で特定された障害に対処するための導く方針です。これは、状況に取り組む方法を定義し、可能な行動の範囲を広範に排除する役割を果たします。

良い基本方針がないと、組織は行動を調整する原則が欠け、目標に対して不統一なアプローチとなります。基本方針は組織全体が一丸となり、共通の目標に向けて進むための道しるべとなります。

行動: 一貫性のある行動計画を展開し、基本方針を実現する

最後に、「行動」は良い戦略を形成するための不可欠な要素です。導く方針を実現するためには、一貫性のある行動計画が必要です。

これは、採用される行動、割り当てられるリソース、方針、そして策略が一貫しており、互いに調和がとれていることを指します。

さらに、行動は一貫した論理構造を持ち、設定された方針に基づいて継続的に進化していく必要があります。一貫性を保ちつつ変化にも柔軟に対応することが、成功に向けた持続可能な戦略の要諦です。

良い戦略に生かされる強みの源泉

優れた戦略を構築し、最も弱い部分に最大の強みを投じることは、成功の鍵です。以下は、戦略に生かされる強みの源泉のいくつかです。

1. 鎖構造

鎖構造は、戦略の最も弱い部分やサブユニットを制約するリンクに注目します。

この弱いリンクを強化するだけでなく、他のリンクを強化することでも、全体のチェーンを強化することはできません。したがって、システム全体を強化し、補完的にする必要があります。

良い戦略は、鎖構造を理解し、弱点を強みに変える戦略を策定することで、全体の強さを最大化します。

この鎖構造については楠木健氏の「ストーリーとしての競争戦略」にも記載があるので是非読んでみてくください。近日中に記事として公開予定です。

2. 批判的思考

戦略的な進路を急いで判断することは危険です。批判的思考は、問題にアプローチする方法や考え方を分析し、自己の考え方を批判的に検証するスキルです。

個人が自らの思考を批判し、再構築することは難しさを伴いますが、良い戦略を構築する上で欠かせないスキルです。分析的なフレームワークよりも個人のスキルとして、批判的思考が戦略の概念を深化させます。

3. ダイナミクス

ダイナミクスは、外部の変化の力とその変化を利用する企業の能力を指します。良い戦略は、変化の波を早い段階で認識し、それを利用するのを待つのではなく、開発の初期に対処します。

変化の予知可能な偏りや既存の企業の変化への応答を把握し、新興の「引力状態」に注意を払うことが不可欠です。ダイナミクスを生かす企業は、変化に適応し、競争優位性を確立します。

まとめ

Richard P. Rumeltの「Good Strategy/Bad Strategy」は、ビジネスにおける成功と失敗の分かれ道を明らかにしています。

悪い戦略は空疎であり、真の問題に対処せず、目標と手段を混同し、実現不可能な目標を掲げています。

これに対して、良い戦略は適切な診断と基本方針、一貫性のある行動を通じて成功に導きます。強みの源泉を理解し、「選択と集中」を実践することが重要であり、これはテコ入れ効果から慣性とエントロピーの打破まで多岐にわたります。

ビジネスリーダーは、効果的な戦略を構築し、成功への道を切り拓くことが求められます。

最後に

内容を通して、選択と集中の原則が戦略において非常に重要であることを改めて感じました。どちらの書籍も、何を行うかだけでなく、何を行わないかを明確に導き出すことが、成功に向けた重要なステップであると教えてくれます。

良い戦略とは、自身の強みを理解し、それを活かしてリソースを最適に投入することで、効果を最大化できるものだと感じました。自分や組織の得意な分野に焦点を当て、その強みを最大限に引き出すことが、成功への近道であるという示唆に富んでいます。

特に、診断の段階で深く分析を行い、高いレベルの仮説を生み出すことから逃れずに向き合う姿勢が重要であると感じました。

これによって、戦略の立案段階で深い理解が得られ、それが実行に繋がるというプロセスが良い戦略の構築に不可欠な要素であることが私の中で浮き彫りになり、ビジネスや個人の成長において深い考察を促すものであり、実践的な知識として非常に価値のある内容であると感じました。

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本書ではリソースの配分や戦略思考においてより実体験をもとに解説されているのでとてもおすすめです。実際に森岡毅氏も本書は必ず目を通したのではないかと思うくらい似た主張があります。

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