自分だけの独創的なアイデアが思い浮かばないと感じたことはないでしょうか?
AIの台頭が著しい現代において私たちに重要なのは独創的なクリエイティビティとよく本や記事で見かけます。つまりユニークでなければAIにとって変わられてしまうということを示唆されています。
独創的な思考を手にしなくては淘汰されてしまう時代が足音を大きくして近づいてきています。
あなたが唯一無二の存在として確立していくためにはあなたの思考を整理しアイデアを創出していかなくてはいけません。
本書ではどのようにして自分でエンジンを搭載して自分なりのユニークな思考力を手に入れるかを教えてくれるヒントが眠っています。
私自身もこの本を読み実践していくことで回り流されず自分の考えでアイデアを生み出していけるようになりました。
正直言ってこの本は恐ろしいです。どのようにして思考を整理して自信を伸ばしていくかについてはたくさんの方法が詰まっています。
思考の整理学 要約ポイント1 飛行機人間
人間にはグライダー能力と飛行機能力とがある。
思考の整理学 外山滋比古 13P
人間の知識獲得能力において筆者はグライダー的な能力と飛行機的な能力が2つ存在していると主張しています。
グライダーは風を利用して空を滑空する道具ですがあくまでも風の力を利用するため自力で遠くには飛ぶことができません。
このようにグライダー的知識獲得は学校という制度を利用して受動的な知識を獲得することを指します。
逆に飛行機は風などは特段利用せずに搭載されたエンジンで自力で飛行します。飛行機的な知識獲得は自力で知識を獲得する発見することを指します。
そして現代の学校教育ではグライダー的能力を訓練してくれる場所であり飛行機的能力を高める場所ではないのです。
どちらが重要ということではなくどちらも必要な能力なのですが私たちは既に受動的に知識を獲得する能力は学校教育で習得済みである為、飛行機的な能力を養わなくてはいけないということです。
私たちは自分でエンジンを搭載した飛行機人間に近づいていく必要があります。理由としては学校教育でおなじみの与えられた問いに答えるという力はコンピュータに代替されるためだからです。
私は現代だからこそこの飛行的な能力は必要と言われていますが、かなり昔からこの指摘をしていた外山滋比古先生がいかに洞察に優れているかに驚いてしましました。
そりゃあ今でも読み継がれているわけですわ、、
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飛行機人間の訓練としてこの1冊は効果抜群です。
与えられた答えではなく自らの探求の根を伸ばすにはどのようなものの見方があるかを学びあなただけの答えを見つけ出すヒントとなってくれます。
思考の整理学 要約ポイント2 朝飯前
文字通りの朝飯前
夜に悩んでいたことが朝になって馬鹿馬鹿しくなった経験はないでしょうか?
私はよく夜にブログを書くことを悩んでいて次の日の朝に一気に片付くことがあります。
実は私たちの脳は朝の方がクリアな状態なのです。知的生産は朝に行う方が効率的に作業が進められます。私たちは言葉通り朝飯前に思考活動を行う方が自然体で良いのです。
筆者は朝飯前の時間を長くするために朝食と昼食を混ぜたブランチをお昼ごろに食べることで「朝飯前」の時間を長くしているようです。
さらに朝飯前の状態を2回行うためにブランチ後に睡眠をとり再度、朝飯前の状態で活動を行います。
この方法を筆者は科学的な観点で行っていなかったとは思いますが実はこの一連の行動パターンは今では生産性が上がる方法として広く知られています。
恐ろしいです、外山滋比古先生
科学的な朝活のすすめ
朝に脳の状態がよりクリアで知的生産が高まる理由は、以下に脳科学的な観点からそのメリットを説明します。
- 朝のコルチゾールレベル: 朝には体内のコルチゾール(ストレスホルモン)レベルが比較的高くなります。これは覚醒と活動をサポートする役割を果たし、脳の機能を刺激します。コルチゾールの適度なレベルは、警戒心や注意力を高め、情報処理を改善します。
- 睡眠と脳のリセット: 良質な睡眠を経て朝に目覚めることで、脳はリフレッシュされ、不要な情報やストレスがクリアされます。これにより、情報の整理や問題解決が効果的に行われる可能性が高まります。
- 朝の時間帯と生体リズム: 朝は多くの人の生体リズムに合った時間帯で、体内時計と同期しやすいです。このため、認知機能や注意力がピークに達しやすく、知的活動に適しています。
- 静けさと集中力: 朝早い時間帯は一般的に静かで、外部の刺激が少ないことが多いため、集中しやすい環境が整いやすいです。これは創造性や問題解決能力の向上に寄与します。
- 判断力の回復: 脳の前頭前野は判断力や意思決定に関連しており、朝はこれらの認知能力が高まります。夜寝た後に回復し、クリアな判断力を提供します。
「朝型が得する4つの理由」を、時間術に詳しい精神科医の先生に聞いた! | Precious.jp(プレシャス)
朝食を抜くと体にどんな影響があるのか?またはないのか? | パレオな男 (yuchrszk.blogspot.com)
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最高にクリアな脳を作り上げるためには最高の体調を維持しなくてはなりません。
健康がクリアな脳を作り私たちの思考力を高めてくれます。
私はこの1冊で本当に自分が良いパフォーマンスを出す源泉になっているので必読でお願いいたします。
思考の整理学 要約ポイント3 離れる
著者はアイデアについて同じ経路で思考を続けることをせずに離れていくことでアイデアが訪れると主張しています。
これに関していえば私もその通りだと思います。何かを学ぶ時でもその学ぶ対象だけを専門的に行うだけでは良い示唆が浮かび上がることは少ないはずです。
本書では様々な方法を利用してテーマから離れる方法が紹介されています。
見つめるナベは煮えない
思考の整理学 外山滋比古 P.32
他と寝かせて発酵させる
とあるテーマについてアイデア出しをするときにあえて異なるテーマに手を伸ばす必要があります。
例えばですが、プログラミングを学んでいる人が生物学について調べるというようなイメージです。
なぜかというと別の分野には思いがけないヒントが眠っているからです。
異なるテーマを学んだり調べたりしていくことで今まで見えてこなったものが見えるようになるのでアイデア創出につなげることができます。
いろんなものに手を出して掛け算していくことであなただけの考えや思考が形作られると思います。飛行機人間になるのは専門的なことをなんでも知っているという状態だけでは淘汰されてしまいます。
また他のモノに手を伸ばすだけでなく「寝かせる」ことも重要です。
他に手を伸ばして学んだことと目的としているテーマをともに頭の中で発酵させることで点が線になる瞬間が訪れます。
皆さんがよく知っているスティーブジョブズも大学で学んだ東洋の書体がiPhone開発に活かされているという有名な話もこれに該当するのではないでしょうか。
この異なる素材が発行されて世にお酒として出される期間は長い時もあれば短い時もあります。
その為、私たちはやっても無駄なような学びにたくさん手を伸ばし寝かせていくことでアイデアのチャンスがやってくる確率を大きく上げることができるのではないでしょうか。
なので今皆様が読んでいるたくさんの本は必ずいつか頭の中で発酵され素晴らしいアイデアに代わる日が来るはずです。学びや経験には臆せず挑戦していきたいですね。
セレンディピティ
セレンディピティ(Serendipity)は、偶然や思わぬ幸運によって、何か価値あるものや意味ある出来事が発生する現象を指します。
要は予測不可能な出来事や偶然の出会いが新たな発見やアイデアを生み出す役割になるということです。中世の錬金術が科学の発展に大きく寄与したというのもセレンディピティと言えるでしょう。
本書では試験前日に勉強をするはずが今まで見向きもしなかった本を読んでしまう例が挙げられていますが、私の読書週間も同じようにテスト期間に父親が読んでいる本を読んだりしていました。
これが現在の読書習慣につながり私にたくさんの知識やアイデアを与えてくれてると考えるとセレンディピティは侮ることはできません。
個人的セレンディピティを生み出す方法
- オープンマインドである: 新しい情報やアイデアに対してオープンで受け入れる姿勢を持ちましょう。予想外のことが起こることを歓迎し、それに注意を向けること
- 知識と経験を広げる: 多様な分野やトピックに関する知識を増やし、異なる経験を積むこと
- ネットワーキング: 他の人との交流を通じて、新しいアイデアや情報に触れる機会を増やすこと
セレンディピティは、アイデアの創出や問題解決において重要な役割を果たすことがあります。意図的な努力とオープンなマインドセットを持つことで、セレンディピティの恩恵を最大限に活かし、新しい発見やアイデアを得ることができます。
セレンディピティの語源
「セレンディピティ」という言葉は、18世紀の作家ホレス・ウォルポールによって造られました。ウォルポールは、この言葉を小説の中で初めて使用し、その意味を「思わぬ幸運な出来事や発見」を表現するために使いました。ウォルポールはこの言葉を、セイロン(現在のスリランカ)の古名である「セランディーブ」に由来して作り出しました。彼はこの名前からインド洋の美しい島々に関連した出来事を含む物語を書いており、キャラクターたちが偶然の出来事を経て新たな発見をし、幸運に恵まれる様子を描いていました。
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本書は調べるという1%の努力を行うことや手を広げて知見を深めていく重要性について学べる1冊です。
何から始めたらいいかわからない人はこれを読んでみてください。
思考の整理学 ざっくりまとめ
- 与えられた答えより、自分で考える問い
- 知的活動は朝飯前に行う
- アイデアは寝かせる、組み合わせる
アイデアを考えるとき、まずはとりあえずそのアイデアを保留してみることが大切です。この段階で深く考えず、とにかく気軽にアイデアをメモに書き始めましょう。その後、寝かせていたアイデアが時間を経ても輝きを放っていたら、最良のアイデアといえるでしょう。
アイデアを保留し、時間を置くことは思考を整理する上で非常に大事です。時間を経てアイデアを再評価することで、新たな視点や洞察が得られることがあります。そのため、思考を整理する際には、アイデアを寝かせることを積極的に取り入れるべきです。
また、本当にやるべきことを見つける際には、複数のアイデアや課題に分散せず、1つのことに注力することが大切です。最初は深く考えずに書き始め、その中から重要なポイントを見つけ出し、それに集中することが役立ちます。すると、道筋が見えてきて、やるべきことが明確になります。
著者について
外山滋比古(とやま・しげひこ)
1923年生まれ。文学博士、評論家、エッセイスト。東京文理科大学英文科卒業。『英語青年』編集長を経て、東京教育大学、お茶の水女子大学などで教鞭を執る。専攻の英文学に始まり、テクスト、レトリック、エディターシップ、思考、日本語論の分野で、独創的な仕事を続けている。著書に『思考の整理学』『ことわざの論理』『「読み」の整理学』『知的生活習慣』『伝達の整理学』(筑摩書房)など多数。2020年、没
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