本書『Give and Take』は、自己啓発本によくある与える人「giver」なろうという教えがなぜ成功につながるのかを科学的かつ実践的に説明してくれる一冊です。
さらに、成功する理由に関する基本的な理解を変え、新しいモデルを提供しています。
本書を読めば、つい相手に役に立つような何かを与えようと行動したくなる一冊です。
もちろん著者アダムスはウォートン大学の教授としての最先端の研究や、ハリウッドから歴史までの成功ストーリーを挙げながら、グラントは、優しい人が必ずしも成功に終わるわけではないことを示しています。
彼は、賢い giver(与える人)が犠牲者にならないようにする方法と、なぜこの種の成功が個々の人やグループだけでなく、組織やコミュニティ全体を変革する力を持つのかを実際のビジネスのお話も交えて説明されているので必ず皆様の役に立つんです。
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アダムグラントGive and Take要約
Giver and Taker and matcherとは?
ギブ・アンド・テイクの関係には、主に3つのタイプがあります。
「テイカー」は他者よりも受け取ることを重視し、自分の利益を優先する人を指します。
一方で、「ギバー」は関係を相手に利益をもたらす方向に導き、与えることを重視し、受け取るよりも多くの支援を提供しようとする人です。
与えると受け取るのバランスを取ろうとする「マッチャー」となります。
3タイプの要素は、誰もが持っている要素で、それぞれの人が様々なシーンで使い分けています。
誰しもが3つに完全に振り切れるわけではなく各場面や環境に応じて姿を変えていきます。
私個人的には日本人はマッチャーとして生きていく場面の人が多いイメージです。
Giver and Taker and matcherでは誰が一番成功するのか?
調査によれば、成功からほど遠い位置にいるのは、ほとんどがギバーだ。どの重要な職業を例にとっても、ギバーはいつも割りを食っている。それは、自分の成功を犠牲にして、相手の利益を優先しているからなのだ。〔…〕
『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』p30~29
では、成功を収めるのはテイカーだろうか。それともマッチャーだろうか。
実は、そのどちらでもない。データをもう一度見て、私は驚くべきことを発見した。何と、それもギバーだったのだ。
じつはギバーには2種類存在していて自己犠牲型のギバーと他者思考型のギバーに分けることができるのです。
自己犠牲型は損な役回りになることが多く多いですが、他者志向型のギバーは「自分の利益と相手の利益が最大になるためにはどうしたらいいのか?」と考えるのです。
ただ与えるだけでなく、双方が最大化されるにはどのようにするかという足し引きで考えないことが成功するギバーとなるうえでとても重要です。
成功を収めるギバーとは
ギバーは利他的に振る舞い、長続きする価値をつくる
ギバーが利他的な行動を通じて他者と協力し、信頼を築くことで、人脈が強化されます。信頼関係の構築がある程度の深さに達すると、相互の支援や情報共有が増え、長続きする価値を生むことが期待されます。
ギバーは情報をシェアすることにより、ネットワーク内での情報フローを活性化させます。これにより、新しい機会やアイディアに早くアクセスでき、それが業績向上や昇進、高い収入につながります。
これらの要因が相まって、ギバーが「人脈」を通じて長続きする価値を生む原因と考えられます。
グループ全員が得をするようにパイ(総額)を大きくする
ギバーは、自分だけでなくグループ全員が得をするようにパイ(総額)を大きくすることを考えます。彼らは相手や集団に対して現状から持っているものを足し引きするのではなくお互いがさらに良くなるような相乗効果を狙います。
そのためギバーは成功することは多くの研究や実践的な観察から見ても、ギバーが成功することが多いという立場は支持されています。
テイカーを意図的に避ける
ただし、ギバーが成功するには、バランス感覚や自己守護のスキルも重要です。無差別な与えることで自らを犠牲にすることなく、賢く他者と連携することが長期的な成功につながります。
他者思考のギバーは他者に対して何を与えれば喜んでくれる、役に立つのかを日頃から考える為に相手の立場になって考えを見抜くということにも長けています。
彼らは効果的な観察や質問を行いテイカーからの搾取を避けることもできます。
他者志向で成功するギバーは、与えることが多くても自己利益を見失わず、「いつ、どこで、どのように、誰に与えるか」を慎重に考えます。
他者への関心と自己への関心をバランスよく結びつけることで、ギバーは燃え尽きたりやけどすることが少なくなり、成功しやすくなります。注意が必要なのは、自己犠牲型のギバーにならないよう気をつけることです。
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アダムグラントGive and Take感想
まずは誰かに役に立とう。ブログをしている人や発信者こそギバーであるべきだと強く感じました。
本記事にはまとめていないのですが、終盤にある他者思考に関する自分と他者との共感における同一性やフリー提供サイトのお話を聞いて、誰でも今すぐにギバーになる可能性がある知ることができたので本書を通じて学んだことを皆様に活かしていければと思います。
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著者について
■著者 アダム・グラント
ペンシルベニア大学ウォートン校教授。組織心理学者。1981年生まれ。同大学史上最年少の終身教授。『フォーチュン』誌の「世界でもっとも優秀な40歳以下の教授40人」、『ビジネスウィーク』誌の「Favorite Professors」に選ばれるなど、受賞歴多数。「グーグル」「IBM」「ゴールドマンサックス」などの一流企業や組織で、コンサルティングおよび講演活動も精力的に行なう。本書は24カ国語以上で翻訳され、世界中の人びとの「働く意義」を変えたといわれる大ベストセラーになっている。
『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』
楠木 建
『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』
一橋大学大学院国際企業戦略研究科(ICS)教授。経営学者。1964年東京生まれ。専門は競争とイノベーション。
楠木 建さんの書籍「ストーリーとしての競争戦略」もとてもおススメの1冊です。
「一見して不合理」という言葉が著書には出てきますが、ギバーも一見して不合理ですが長期スパンで見ると素晴らしい戦略です。