『残酷な成功法則』要約:努力や自己啓発本を本書が一蹴?

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『残酷な成功法則』(原題: Barking Up the Wrong Tree)は、エリック・バーカーが成功の秘訣を解明するために書いた一冊です。

この本の魅力は、一般的に信じられている「成功の常識」を問い直し、実際に成功に必要な要素を科学的データやエピソードを通じて明らかにするところにあります。

本書の魅力は、ユーモアに富んだ筆致とともに、成功の道筋が一つではないことを理解させてくれる点です。

このような洋書を読む面白さは文化の違いはもちろんですが、作者のユーモアがとても秀逸なところだと思います。

これも訳者の方あっての恩恵ですね。

誰もが自分に合った成功法則を見つけるためのヒントを得られる一冊であり、従来の「成功」の枠にとらわれず、自分らしく進む道を見つけたい人に最適です。

『残酷な成功法則』では、成功に影響を与えるさまざまな要素が詳しく分析されています。

今回は私がとても良いなと思った箇所を共有いたします。

皆様なお役に立てれば幸いです。

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残酷な成功法則:ポイント

環境+自分の偏り

『残酷な成功法則』では、成功するために自分に合った環境を選ぶことの重要性が強調されています。

これは、個々の性格や強みを理解し、それを最大限に活かせる環境で活動することが、長期的な成功に結びつくという考え方です。

強みと欠点は表裏一体

本書では、私たちが持つ強みが時に欠点としても現れることがあるとされています。

例えば、慎重さはリスクを最小限に抑える強みですが、過度に慎重すぎると決断力が欠け、機会を逃す欠点にもなります。

一方で、大胆さやチャレンジ精神はリーダーシップを発揮する強みとなりますが、無謀さに繋がるリスクもあります。

自分が持っている他者にない偏りを発見できるか?

です。これは非常に成功ということにおいては重要です。

自分の強みとその裏に潜む可能性のある欠点を理解することが重要です。

弱みと強みを両極の2つの点として捉えた場合に偏りがあることを活かせる環境を探す必要があります。

そして、自分の性格や行動特性に合った環境を選ぶことで、強みを最大限に活かしつつ、欠点を補完することができます。

ビッグファイブ分析の活用

ビッグファイブ性格分析は、性格を以下の5つの次元で捉える方法です。

•   外向性: 社交的でエネルギッシュな人は外向的とされ、孤独を好む人は内向的とされます。
•   神経症傾向: 不安やストレスに敏感な人は神経症傾向が高く、穏やかで感情の安定した人は低いとされます。
•   開放性: 新しい経験やアイデアを受け入れることが好きな人は開放性が高く、保守的な人は低いとされます。
•   協調性: 他者への共感や協力を大切にする人は協調性が高く、競争心が強い人は低いとされます。
•   誠実性: 計画性があり、責任感が強い人は誠実性が高く、自由奔放な人は低いとされます。

この分析を通じて、自分の性格分布を把握することで、自分に最も適した環境や仕事のスタイルを選択する手がかりになります。

例えば、外向的な人はチームでの仕事や人と接することが多い環境で力を発揮しやすいですが、内向的な人は個人で集中できる仕事に向いています。

ビックファイブの性格分析では、残酷な成功法則の監訳となっている橘玲さんがスピリチュアルズという本を出しているので一度読むことをおすすめします。

自分に合った環境の選択

本書では、自分の性格や強みに合った環境を選ぶことが、成功にとって重要だと説いています。

例えば、競争的な環境が自分に合うか、協力的な環境が合うかを見極めることが大切です。

これにより、自分が最大限に力を発揮できる場所を見つけることができ、ストレスを減らしながら成功への道を進むことが可能になります。

自分の特性や強みを理解し、それを活かせる環境を選ぶことは、成功に向けた戦略的な第一歩です。

ビッグファイブ分析などを活用して自己理解を深めることで、自分に最適な道を選び取ることができるでしょう。

聖人でもなく裏切りものでもない

『残酷な成功法則』の内容における囚人のジレンマ、アダム・グラントのギバーの考え方から、私たちが成功するための人間関係やネットワーク作りのヒントが得られます。

これらの理論を実生活に応用することで、良好な人間関係を築き、成功を引き寄せることが可能です。

信頼と協力を基盤にした関係構築

囚人のジレンマは、短期的な自己利益を追求すると長期的には損をするという教訓を含んでいます。

これを人間関係に当てはめると、他者を裏切らず、協力することがいかに重要かが分かります。

信頼を築き、相手との協力関係を深めることで、互いに利益を得られる関係を作ることができます。

ただ聖人のように協調の姿勢を見せるだけでなく、裏切りには裏切りで応えるというフェアな姿勢に身を投じることであくまでもあなたの選択次第で聖人にも裏切り者にもなるという姿を見せられるかが重要です。

これについては本書やアクセルロッドの研究内容を参照すればわかるはずです。

ギバーとしての行動を心がける

アダム・グラントが提唱するギバーの概念は、他者に惜しみなく与える姿勢を重視しています。

ギバーは一時的には損をすることがあっても、長期的には最も成功するタイプとされています。

これは、与えることで信頼や感謝が蓄積され、強固なネットワークが形成されるからです。

ただし、バランスが重要で、自己犠牲的になりすぎず、自分の利益も大切にしつつ他者に貢献することがポイントです。

与えると受け取るのバランスを取る

成功するギバーは、自分だけが与えるのではなく、適切に受け取ることもできる人です。

人間関係において、ただ与えるだけでなく、他者からの助けやアドバイスを素直に受け入れ、互いに支え合う関係を築くことが、成功につながります。

これにより、相手もまたあなたに対して与えようとするため、ウィンウィンの関係が生まれます。

相互依存と継続的なコミットメント

囚人のジレンマが示すように、相手との協力が続くほど、お互いに対する信頼と依存が強くなります。

ネットワーク作りにおいても、一度の交流で終わらせず、継続的に関係を築く努力が重要です。

相手のニーズや目標に関心を持ち、それに対してどのように貢献できるかを考えることで、長期的な成功に結びつく関係が育まれます。

これらのポイントを実践することで、人間関係やネットワーク作りにおいて、持続的な成功を呼び寄せることができます。

自信の有無ではない第3の要素?

『残酷な成功法則』では、「自信」と「セルフコンパッション」の違いに注目し、成功において後者がいかに重要であるかを強調しています。

セルフコンパッションとは、自分自身に対して優しさや思いやりを持つ姿勢を指します。これは、自信とは異なり、失敗や困難に直面したときに自己批判をするのではなく、自分を責めずに受け入れ、励ます態度です。本書では、セルフコンパッションが成功に与えるポジティブな影響について、次のような点が述べられています。

1.  失敗からの回復力: 自信がある人でも、失敗を経験すると落ち込むことがあります。しかし、セルフコンパッションを持つ人は、失敗を自分の人格の否定と捉えず、学びの機会とすることができます。これにより、失敗からの回復が早く、次の挑戦に向かう意欲を保つことができます。
2.  パフォーマンスの向上: 自己批判が強い人は、失敗を恐れてリスクを避ける傾向にありますが、セルフコンパッションを持つ人は、自分を許し、リスクを恐れずに挑戦を続けることができます。このような姿勢が、結果的にパフォーマンスの向上につながります。
3.  精神的な健康の維持: 自信過剰な人は、成功に固執し、失敗すると大きな精神的ダメージを受けることがあります。一方で、セルフコンパッションを持つ人は、自己肯定感が安定しており、精神的な健康を保ちながら成功を追求できます。
4.  他者との良好な関係: セルフコンパッションを持つ人は、自分に対して優しくあることで、他者にも同じように優しく接することができ、結果としてより良好な人間関係を築くことができます。これは、長期的な成功において非常に重要な要素です。

エリック・バーカーは、成功には単なる自信よりもセルフコンパッションの方が持続的な成長や幸せにつながると述べています。セルフコンパッションを養うことで、失敗を恐れず、前向きに成長し続けることが可能になるのです。

願えば叶うよりWOOP

『残酷な成功法則』では、「願えば叶う」という一般的な自己啓発の考え方が、実際には逆効果になる可能性があることが指摘されています。これは、単にポジティブな思考や願望を持つだけでは、目標達成には十分でないどころか、場合によっては有害になり得るという考えに基づいています。

ポジティブシンキングのリスク

    多くの自己啓発本では、「目標を強く願うこと」が成功の鍵だと強調されています。しかし、エリック・バーカーは、このようなアプローチが持つリスクについて述べています。具体的には、願望を強くイメージしすぎると、脳がそのイメージを現実と勘違いしてしまう可能性があるということです。

    ポジティブなビジュアライゼーション(目標達成を鮮明にイメージすること)は、確かにモチベーションを高める効果があるかもしれません。しかし、目標達成のための具体的な行動を伴わない単なる願望は、脳に「もう達成した」という誤解を与えることがあります。その結果、実際の行動が伴わず、目標に向かう努力が弱まってしまう可能性があります。

    具体的な落とし込みが重要

    このような理由から、バーカーは目標達成にはWOOPのような現実的で実践的なアプローチが重要だと述べています。

    「WOOP」というテクニックが紹介されています。この方法は、ポジティブ心理学の研究者であるガブリエル・エッティンゲン博士によって提唱されたもので、目標を効果的に達成するための具体的なステップを提供しています。WOOPは、Wish(願望)、Outcome(結果)、Obstacle(障害)、Plan(計画)の頭文字を取ったものです。

    1. Wish(願望)

    まず、自分が達成したい目標や願望を明確にします。これは、短期的な目標でも長期的な目標でも構いません。重要なのは、この目標が自分にとって意味があり、達成したいという強い願望を持てるものであることです。

    1. Outcome(結果)

    次に、その目標が達成されたときに得られる理想的な結果を具体的にイメージします。ここでは、達成したときのポジティブな感情や利益を詳細に描くことが大切です。このステップでは、自分が成功したときの喜びや達成感を明確に想像することで、モチベーションを高めます。

    1. Obstacle(障害)

    目標達成の過程で立ちはだかるであろう障害や困難を考えます。ここでは、自分の内面的な障害(例えば、怠け心や不安)や、外部からの障害(例えば、時間やリソースの不足)を認識することが求められます。このステップがWOOPのユニークな部分であり、現実的に目標達成を阻む要素を見極めることで、準備や対策が可能になります。

    1. Plan(計画)

    最後に、障害に対処するための具体的な行動計画を立てます。ここでは、「もし~なら、こうする」(If-Thenプランニング)の形式で計画を立てると効果的です。例えば、「もし怠け心が出たら、すぐに5分だけ作業を始める」といった具体的な行動を決めておくことで、障害が現れたときに適切に対応できるようになります。

    WOOPの効果

    WOOPは、単にポジティブな思考を持つだけではなく、目標達成を妨げる現実的な要素に目を向け、その対策を事前に立てることで、成功率を高める方法です。エリック・バーカーは、WOOPを取り入れることで、目標達成のプロセスがより現実的かつ実行可能になるとしています。

    この方法を実践することで、目標に向けた行動が計画的かつ効果的に進むようになり、結果的に成功を手にする可能性が高まります。

    単なるポジティブシンキングとは異なり、現実的な目標達成のためのプロセスを提供します。目標に対する現実的な視点を持ち、それに向かう道のりで起こり得る困難や挫折をあらかじめ考慮することで、より持続的で効果的な行動が取れるようになります。

    バーカーは、こうした現実的な方法を用いることで、目標達成の確率が高まり、成功を実際に手にする可能性が高くなると述べています。つまり、願望だけではなく、それに向かう具体的な計画と行動が重要であるということです。

    まとめ

    『残酷な成功法則』が伝える核心は、成功には夢を抱くだけでなく、自分自身と現実を正確に理解し、具体的で実行可能な戦略を立てることが不可欠であるということです。バーカーは、自己啓発の常識にとらわれず、科学的なアプローチと現実的な視点を持つことで、誰でも自分に合った形で成功を手にできると強調しています。

    成功は一つの方法ではなく、自分の特性に合わせた道を選び、周囲と協力し、現実的に目標に向かう計画を立てることで得られるものだと本書は教えています。

    著者について

    バーカー,エリック(Barker,Eric)
    大人気ブログ“Barking Up The Wrong Tree”の執筆者。脚本家としてウォルト・ディズニー・ピクチャーズ、20世紀フォックスなどハリウッドの映画会社の作品に関わった経歴をもち、『残酷すぎる成功法則ー9割まちがえる「その常識」を科学する』は、初の書き下ろしにして全米ベストセラーに

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