営業の世界は常に進化しており、成功するためには最新の知識とスキルが必要です。
この田端さんが推薦書籍ですが、本当に読んで良かった。ありがとう田端さん。
この本は、ただの営業ノウハウ本では一才ございません。
営業とは何なのか?
なぜ営業は苦しく忌み嫌われるのか?
なぜ営業職は素晴らしい仕事なのか?
本書ではこのような営業の本質を深く掘り下げた洞察に満ちています。
今回は、この本の内容と読書の感想をイチ営業マンの視点でご紹介します。
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ハーバードビジネススクールではなぜ営業を教えないのか?概要
本書は先ほど紹介した通りノウハウ本ではないです。
世界中の成功した営業マンやビジネスリーダーへのインタビューを基に構成されています。
まずここでは出てくる営業パーソンのキャラクターがとても面白いです。
異なる文化や業界の中で営業がどのように行われているかを探求し、成功の共通要素を明らかにしています。
出てきた営業パーソン一例
タンジールの商人マジード
モロッコのタンジールの土産店の店主であるマジードは打たれ強い凄腕商人として紹介されています。
打たれ強さはセールスマンだけでなく人生での成功を望むすべての人に必要な素質である。
ハーバードビジネススクールではなぜ営業を教えないのか? p39
彼は購買予定も微塵もない観光顧客に対して「ノー」を突き付けられつつも日々顧客を見極め大きな成果を上げて有力な顧客を獲得し続けています。
彼の素晴らしいところは打たれ強さにあるだけではありません。
マジードが身に付けた観察眼とそのテクニックは優秀なアメリカ人が備えている技術にかなり近いものだ。
ハーバードビジネススクールではなぜ営業を教えないのか? p44
彼は「宣言的知識」と呼ばれる相手にどのようにアプローチを行うかというもではなく、顧客がどのような人物で何を望んでいるかを見極める能力に非常に秀でています。
彼は観光地という多様な文化圏でワンタイムに近い顧客が何を望んでいるのかを見極めるのです。
ここは私の憶測ですが、観光地や都市圏の消費者向けの販売員はどちらかというと型の沿った商品説明などが主流の場合が多いですが、彼は各顧客ごとにギアを分けて顧客ごとに対応をカスタマイズします。
小さなヒントをもとに対応をカスタマイズする営業の戦略はビジネスだけでなく人生にも大きな力になりうると本書では書き記されています。
人の素振りや出した少ない言葉をもとにその人が求める対応を行う。人間関係においてはまさに重要な要素であります。
保険営業の柴田さん
第一生命でトップの営業ウーマンとして走り続けた柴田さんも素晴らしい営業パーソンの一人です。
彼女は娘を出産した後に保険営業として新たにキャリアをスタートさせて、全国1位まで上り詰めた女性です。これが当時ではどれだけ大変だったのかは保険営業の方でなくてもわかるはずです。
31歳からゼロの人脈で初めて、断りに断れてきたことにもめげずに汗をかき続けて顧客に会いに行っていたようです。
断られ続けてもあきらめない姿勢が一つの大きな出会いを呼び、そこからはうなぎ登りで契約をとれるようになったようです。
これこそロングテールがもたらす大きな力の影響でしょう。
営業の目的が人生そのものになるの。それは、周りの人に敬意を払い、その人たちのためにベストを尽くすということ
それが自分らしく生きるということ
ハーバードビジネススクールではなぜ営業を教えないのか? p114
ハーバードビジネススクールではなぜ営業を教えないのか?感想まとめ
まとめ
最初は、営業という職業に対して抱いていた固定観念や先入観を打ち破るために手に取ったこの本でしたが、読み進めるうちにその深い洞察と人の魅力に引き込まれました。
特に、私のような若手営業マンが直面する営業に対するマインドセットに関する課題への具体的な解決策が多数盛り込まれています。
なぜ企業や消費者が購買行動を行う際にそこにセールスパーソンが介在するのか。
そこには様々な理由やセールスが欠かせないポイントがあり、煙たがられるだけがセールスではないと本書では理解できます。
私も営業マンとして売り込みというものに疑念抱いていたことはありましたが売り込みという捉え方がそもそも間違いではないのかと気付かされます。
まとめ②
本書はスキルセットについての言及はほとんどないですが、インタビューを通じて理解できる営業に必要な要素については非常に実用的であると感じました。
自分が理想とする現実を求めて人々に価値を提供し続ける。
これを行うことに私は大きな意味があると信じています。
どんなプロダクトでもその願いや便益が織り込まれ市場に飛び出してきます。それを顧客に合うように余すことなく価値提供を行い、自分の仲間や家族を養って夢を実現する。
一方、顧客には製品をだけでなく彼らが望む本当に必要なものを届けてともに成長するパートナーになる。
この営業という要素はビジネスだけでなく普段の人生においてもとても重要なプロセスであると私は感じています。
是非、皆様も読んでいただきたい1冊です。
ズバリこんな方にはおすすめ
- 若手の営業パーソン
本書を強くおすすめする理由
若手営業パーソンは営業を始めたばかりでましてや望まない形で営業を仕方なく活動している人も多いと思います。
しかし、キャリヤいや人生においてセールスという活動は必ず役に立ちあなたに欠かせない一つの生きがいになる可能性すらあります。
そのようなマインドセットに近づけるのが本書です。
断られ成績が出せないあなたがなぜ営業を続けるのか、どのようにして成功を掴めばいいのか
本書ではその重要な営業の本質を学べると私はおもい、同世代の営業パーソンに強くおすすめします。
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著者について
ブロートン,フィリップ・デルヴス(Broughton,Philip Delves)(ブロートン,フィリップデルヴス)
ハーバードビジネススクールではなぜ営業を教えないのか?
バングラデシュに生まれ、イギリスで育つ。1994年、オックスフォード大学ニューカレッジを卒業後、デイリー・テレグラフの記者として25カ国以上で報道に携わる。同紙パリ支局長を経て、2006年にハーバード・ビジネス・スクールでMBA取得。その後、アップル、カウフマン財団でライターとして勤務し、現在はフリーのジャーナリスト。妻、二人の息子とともにアメリカ在住
関美和(セキミワ)
慶應義塾大学卒業後、電通、スミス・バーニー勤務。その後、ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得し、モルガン・スタンレー投資銀行を経てクレイ・フィンレイ投資顧問東京支店長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)